車いすで多い〝ひやりはっと〟は、ベッドなどから移乗する時に車いすが後ろにずれ臀部から落下してしまうもので、圧迫骨折に至る事故も起きているそうです。こうした事故は「タイヤの空気圧が足りない」などメンテナンス不足で起きることが多いため、普段からしっかり点検することが大切です。また、点検・整備の仕方で分からないことは、私共、株式会社マツヤのなど専門家に相談してください。
1)タイヤ
車いすはタイヤ本体にブレーキを当てて止めるので、空気圧が足りないと圧着が弱くなり、効きが悪くなります。タイヤの表面が摩耗していてもブレーキの効きが弱くなる。溝の摩耗や細かなヒビがないか点検しましょう。
2)座面・背部シート
シートがたるんでいると適切な座位姿勢をとるのが難しいため、褥瘡の原因になったり、側弯の拘縮などの2次障害を発生させたりします。
3)フットサポート
足乗せ板の固定ネジが緩んでいると板が自然に下がり、地面や段差につまずくことがあります。上げた位置に板が固定されないと足を乗せたまま降りる形になり、下がった板を支点にテコの原理で前側に放り出されることがあります。
4)ブレーキ
ブレーキワイヤーが緩むと効きが弱くなります。最低3カ月に1回はブレーキレバーを握って効き具合を点検しましょう。
5)前輪車軸
ゴミや髪の毛などが絡まっていると駆動が重くなり自走しにくくなります。
6)クッション、フレーム
クッションの下に食べかすや吐瀉物などが残ってカビが生えたり、虫がいたりすることがあるので定期的にアルコール消毒しましょう。